〜技能の技と心を伝え継ぐ〜地域で輝く技能功労者を顕彰

藤枝市では永く同一の職業に従事する功労顕著な技能者の社会的・経済的地位の高揚並びに技能水準の向上化を図ることを目的に、藤枝市技能功労者顕彰を実施しています。本年度顕彰された7名をご紹介します。

技能功労者賞とは

同一職業に30年以上従事する55歳以上の市民で、長年培ってきた技術と技能が認められ、卓越した技術者として社会から敬意を表される名誉ある称号です。また、後進の育成にも貢献し、伝統技術の継承と発展に寄与することが期待されています。対象の職種はさまざまで、建築大工、左官、畳職などその他これらに準ずる職種です。

次世代を担う若手にスポットを当てた特別枠

本年度は永年にわたり技術を磨いてこられた方々に加え、市制施行70周年を記念し、次世代を担う若手の方にスポットを当てた「70周年特別枠」が設けられました。今回、5団体から推薦のあった5名の方、70周年特別枠として2団体から2名の方が顕彰されました。11月26日の授与式当日は、北村市長から受彰者に表彰状と記念品が手渡され、お祝いの言葉を述べました。受彰者からは「今後もより良いものを作り続けられるよう頑張りたい」「これからも若手の育成に貢献していきたい」など、喜びの声と今後の抱負の言葉が聞かれました。卓越した技能を持った技術者と、未来を担う若手技術者双方の功績が称えられ、技能の大切さと次世代への継承を強く感じさせる式典となりました。

 

受賞者紹介

横山 三男様(本町3/菓子製造業/フォンテーヌ府中屋)

昭和35年から菓子作りの修行を得て技術を磨いてこられました。昭和46年よりフォンテーヌ府中屋にて「サッカーエース最中」を受け継ぎ、藤枝を代表する銘菓を支えてこられました。ほかにも「藤の花」や「藤まつり」を共同開発するなど、藤枝市の製菓業界の発展に尽力されています。

青島 一利様(藤枝3/石材業/青島石材店)

護岸工事を専門に経験を積まれ、手仕事を重視して腕を磨いてこられ、設計から加工まで、顧客のニーズに応えられるようこだわりを持った仕事をしています。昭和42年から青島石材店にてサンドブラスト技術も取り入れながら時代に合わせた進化を続けるだけでなく、後進の育成にも尽力されています。

鈴木 節子様(西方/洋裁技師/セスル洋裁教室)

オーダーメイドでの製作に力を入れており、昔からの図法から最新の図法まで幅広く学び、お客様の体形や姿勢に合わせて、最も身体のラインが美しく見える服作りに努めてこられました。多くの方にその技術を伝えようとセスル洋裁教室を開き、洋裁の奥深さを伝えていらっしゃいます。

萩原 猛様(岡部町内谷/麹職人/萩原こうじや)

幼い頃より家業の麹づくりに触れ、現在は萩原こうじやの5代目として活躍されています。麹は生き物として、長年の経験と勘により微細な気温の変化に合わせて、数時間おきに状態を確認しながら、温度と湿度管理を行っておられます。その技術を家族で支え、多くの方に愛される麹を生み出しています。

紅林 孝始様(大洲1/造園業/紅林造園)

京都にて昭和55年から造園の修行をされ、述べ段(石張り)石積みを得意とされています。現在は紅林造園を継承され、培われた技術と、学んだ華道の知識を活かした庭園づくりに取り組まれています。造園技能検定の受験者実技講習の開催や、自社の敷地に練習場を設け、実技指導を行うなど、後進の育成に尽力されています。

【70周年特別枠】小野 延子様(五十海/菓子製造職/やまゆスイーツ)

果物のおいしさを損なうことなく活かせないかと、ジャムの本場の味を研究し、果実の生産者の元を訪れ、こだわりをジャムに表現できるよう腕を磨かれてこられました。果物のカットから煮詰め具合など素材の状態に合わせた調理法にこだわり、イギリスの「ダルメイン・マーマレードアワード」にて7年連続金賞を受賞されるなどその技術が高く評価されています。

【70周年特別枠】天野 幹郎様(岡部町三輪/寝具製造/天野ふとん店)

年月を経てもへこみなく身体を水平に保てるようにと、確かな技術と細やかな心遣いにより作られたふとんは高く評価されており、技術とスピード感、経験やセンスが問われる「全国技能グランプリ」で銀賞(全国2位)という快挙をおさめられています。その技術を多くの方に伝えるため学校や団体、イベント会場での技術実演や一緒に製作・指導を行うなど技術継承のために尽力されておられます。

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