「子どもアート作品展」の開催を目指して

「子どもアート作品展」の開催を目指して

楡木(にれき) 令子さん(藤枝市地域おこし協力隊)

自己紹介

出身地は、静岡県伊豆の国市。
紙を素材にした作品、インスタレーション(空間)を作るアーティストとして国内外で活動を続けてきました。
作品を発表するだけでなく、アーティスト同士の交流プログラム、文化プログラムを自主企画、こどもの美術プログラムにも長年携わってきました。
これまでの経験を活かした仕事をしたいと思い、地域おこし協力隊に応募しました。
企画を考えてゆく際には、断片的なもので終わることなく、1本の道に繋がってゆくように心がけています。

今度の抱負・任期後の目標

現在行っている教室「こどものじかん」を継続してゆきたいです。
様々な分野のアーティスト、美術関係者と交流をはかりながら、子供の可能性を広げたいと思います。
学校とは違うユニークな時間、空間になるよう心掛けてゆきたいです。
地域おこし協力隊の活動からの出会いを大切に、今後も積極的に文化活動に参加してゆきたいと思います。

活動計画・内容・報告

◆「The Forest -鎮守の杜」プロジェクト
令和5年11月、フィンランドより2人の写真家を招聘し滞在制作を行う「The Forest-鎮守の杜」を予定しています。期間中は作品展、アーティストトーク、講演、子供の作品展示など関連プログラムを実施予定です。

◆こどものじかん
中山間地域の廃校になった幼稚園を使いスタートした「こどものじかん」2年目に入りました。
今年度は秋の「The Forest -鎮守の杜」プロジェクトで作品発表を目指します。
講師のアーティスト達との共同制作を楽しんで進めてゆきます。
作るプロセスを通し、子供達の創造力が育まれてゆくことを大切に続けてゆきたいです。

◆映画「森聞き」上映+「聞き書き甲子園」講演
令和5年3月、共存の森ネットワーク主催吉野奈保子さんを講師に招き、高校生が様々な地域で暮らす森、山、海などの名人に聞き書きをする「聞き書き甲子園」を紹介、
ドキュメンタリー映画「森聞き」上映を実施しました。

 

【取材後記】

1990年代から紙を素材にした立体作品を発表する現代美術家の三上令子さんは、「自分の経験を子どもたちにフィードバックしたい」という想いから地域おこし協力隊に応募した。
フィンランドなどでの海外活動の後、徳島県に拠点を置き、光を透過させる和紙の特徴を活かした表現を深めてきた。
隊員になってからは中山間地域だけでなく、広い視野で藤枝市全体を観ることができるようになったという。午前中に事務仕事をこなし、午後は子どもたちのための教材準備やアート鑑賞の時間に充てている。休日も近隣の市町に出掛けアートプロジェクトに参加するなど、生活すべてが芸術に染まっている。
自分が教えるだけでなく、様々なアーティストがそれぞれの専門分野を教え、寺子屋のような仕組みを構築し、将来的には「子どもアート作品展」を開催することが夢だ。9月に開催する上映会「陶王子 2万年の旅」がその大きな第一歩になるだろう。
協力隊の活動には任期があるが、「地域の人の意見に耳を傾けてしっかりと活動をしていきたい」と語る彼女は確実に次のステージを見据えている。

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